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“継続できるかどうか”が、HOKKAIDO SHOWCASE 成功のカギ

“Hokkaido Showcase” インタビュー

株式会社キュアテックス 海外営業部長
IPPIN CAFÉ BARマネージャー

笹川 聡 さん

<プロフィール>

1962年11月 新潟県新潟市生まれ
静岡大学理学部卒業 エネルギー、鉄鋼関連商社勤務を経て現在に至る。

日本の“極品”を紹介するショーケース「IPPIN CAFE BAR」

IPPIN CAFÉ BARのIPPINは“極品”とも書くのですが、日本の優れた名産品を海外のIPPIN CAFÉ BARでお預かりして、実際に食べて飲んで試していただくというユニークなシステムになっています。日本の良さを海外にアピールするショーケースのような位置づけです。たとえば北海道産の干物や帆立など、まだ世界的に認知されていない名産品の販路を海外に開拓するため、中小企業の方々と一緒になって盛り上げていければと思っています。

私は和紙繊維を扱う㈱キュアテックスの海外営業部を任されていて、同時にIPPIN CAFÉ BARのマネージャーでもあります。日本の伝統的な和紙の素晴らしさはもちろん、きちんとした裏付けのあるMade In Japanの商品の素晴らしさを、海外の方々に伝えるのが使命です。取り扱っている商品は日本の大手企業のものではなく、中小企業の商品ばかり。「日本ならではの優れた名産品だが、なかなか認知されるチャンスがない。海外にもぜひ積極的に広めていきたい」という、強い思いのある中小企業の商品を、今後も扱っていきたいですね。

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IPPIN CAFÉ BAR

海外でも健康的で安心・安全なイメージがある“和食”

日本の食品が健康にいいというイメージは、IPPIN CAFÉ BARを開いているここシンガポールにも定着しています。シンガポールには外食文化が根付いていて、どうしても食事が偏りがちになります。朝・昼・晩と三食すべて外食をしたり、ホーカーズと呼ばれる屋台のような所で簡単に買って、自宅で家族と一緒に食べる人も多いですね。高カロリー・高コレステロールで、成人病の心配がある食品もたくさん売られています。

それと対極にあるのが「和食」という認識があるようです。健康的で安心・安全な和食を求める人がいることで、和食レストランもすごい勢いで増えていて、寿司や天ぷら・蕎麦・うどんなども大人気です。ただし、和食はけっして安くはないので、その辺をシンガポールの方々がどう判断するかというのは、気になるところです。また、日本人は居酒屋に行って料理を食べながら酒を楽しむという文化がありますが、シンガポールでは食事とお酒は分けて考えているようです。まず夕食を食べて、その後にお酒を飲みに行くというパターンなので、日本食を食べながら酒を飲むというのは、シンガポールの人々にとっては新たな経験になります。

北海道の雪や寒さに憧れを抱くシンガポールの人々

シンガポールの人々が「北海道」に関してどんなイメージを持っているかというと、こちらには無い北海道の雪や寒さに対して憧れを感じているようです。年末ともなると、シンガポールの衣料品店では店頭の一番目立つところにダウンジャケットをディスプレイし、販売しています。寒くもないのに衣料品店でダウンジャケットを買う人が多いのは、ダウンを着るような寒い所へ旅行に行きたいからなのでしょう。北海道のような寒い国に対する、強い憧れを表しているようにも思えます。また、シンガポールでは日本人と同じようにシーフードを食べる人が多く、ホタテやエビなども街で売られています。いまシンガポールは旧正月なのですが、スーパーなどの店内には普段食卓にのぼらない魚の干物なども飾られます。これを北海道の産物と結びつけることもできると思います。そうしたことからも、北海道の産物がシンガポールに受け入れられるポテンシャルは、極めて高いのではと考えています。

HOKKAIDO SHOWCASEをいかに継続し認知度を上げるか

これはスタッフ同士でもよく議論されることなのですが、やはりHOKKAIDO SHOWCASEの取り組みを現地に根付かせるためには、“継続性”が何より大切だと思います。シンガポールには日系の百貨店があって、北海道の物産展なども頻繁にやっているのですが、そのときはとても盛況で商品もよく売れています。ただし、イベントは長くてもせいぜい1週間で終わってしまうものです。そのときは沢山売れても、それはその場限りのこと。たとえばイスラエル産のザクロなども、マスコミに報道された時はそれは飛ぶように売れましたが、結果的には見かけなくなってしまいました。それでは単なる一発花火で終わってしまいますよね。

北海道のブランディングがすでにシンガポールで確立されているので、あとはHOKKAIDO SHOWCASEを継続的に成功させるために、どうしたら良いかを考える必要があるでしょう。認知度を上げるための持続的な取り組みも必要かと思います。それにはお金も時間もかかりますが、じっくりと月日をかけてシンガポーリアンの生活に浸透させていくことが大切ではないかと思います。

弊社代表・加藤と笹川さん

弊社代表・加藤(写真左)と笹川さん

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