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日本の商品をシンガポールで販売するには、さまざまな工夫が必要

“Hokkaido Showcase” インタビュー

シンガポール在住のコスメ&フード・ディストリビューター
フランシスさん ジャニスさん

HOKKAIDO SHOWCASEのスープやゼリーに注目

現在私たちは、シンガポールでコスメやフードなどのディストリビューターをしています。以前はドイツで生活をしていたのですが、高価格低品質の商品がシンガポールに沢山入っていることに愕然とし、もっとハイクオリティのものを市場に送り出すためにシンガポールに来ました。

主にイタリアやフランスのコスメを扱っていますが、日本のプロダクツはまだ経験がなく、シンガポールで行われた「北海道フェア」を通じて興味を持つようになりました。そこで出会ったのが、HOKKAIDO SHOWCASEのスープやゼリー、お砂糖のスクラブです。シンガポールには忙しい人が多いので、すぐに作れて食べられるスープやゼリーは、とてもニーズに合っていると思いました。お砂糖のスクラブも魅力的です。塩のスクラブが多い中で、お砂糖のスクラブというのはとても珍しく、粒子が細かく肌への馴染みも良好です。シンガポール人はスキンケア商品にとても興味があるので、是非扱いたいと思いました。

ハラール加工や賞味期限の調整などが、これからの課題

シンガポールの人々にとって「日本の商品は扱いにくく、難しい」という印象があります。たとえばコスメティック関連についていえば、日本の商品は価格が高い上にネーミングも呼びにくく、英語表記されていないので使い方がよくわかりません。その点韓国のコスメは価格が安く、ネーミングや説明が英語表記でわかりやすく、有名人を広告塔に使っているのでトレンディなイメージがあります。

シンガポールで日本の商品を販売する場合は、年齢や人種・宗教などを踏まえて、どういったものが受け入れられるかを考えた方がよいでしょう。まずシンガポールにはムスリムの人たちが多く、その人たちはハラール加工された食品ではないと手に取りません。

また、日本製品は賞味期限が6か月など短いものが多いのですが、これも問題です。シンガポールの人々にとって、賞味期限が長いというのは絶対条件なのです。なぜなら、シンガポールの人々は歴史的な背景もあって、「もしかしたら他国に侵略されるかも知れない」という危機感をいつも持っています。そのため、有事の際に保存の効く食品を家に置いておきたいという気持ちが強く、2~3年くらいは賞味期限がないと受け入れられないでしょう。パッケージについても、日本の商品のパッケージは小さく、他国の商品と並べて見劣りがします。中身は別として、せめてパッケージだけでも大きくすることで、印象がかなり変わるのではないでしょうか。

シンガポール人は意外と価格にシビア

シンガポール人は北海道が大好きで、よく旅行にも行っています。しかし旅行に行ったときは気持ちが大きくなっているので、多少値段の高い商品でも購入しますが、シンガポール国内ではそうはいきません。やはり値段の高さがネックになります。シンガポールで日本の高い商品を買うなら、北海道旅行に行く知人や親せきに買ってきてもらったほうがいいと、考えてしまいます。

それに比べて韓国の商品は価格が安く、シンガポール国内で大人気です。携帯電話や電気機器は、サムソンが非常に売り上げを伸ばしています。韓国製品は“ハイクオリティ”ではないが、“グッドクオリティ”というイメージが強く、それでいて安いので、シンガポールでは十分受け入れられるのです。

「シンガポール人は高所得者が多いから、値段が高くても気に入れば買う」と思われていますが、現実はそうでもありません。たとえ収入が多くても、政府に支払うお金や家賃・学費・交通費などを差し引くと、物価の高いシンガポールではあまり多くは残らないのが現状です。またシンガポールは多民族国家であり、もともと何かと何かを比較するという意識が強いので、10セントでも安いものを探し歩くという人も少なくありません。その辺を考えて値付けをすることが重要でしょう。

ライフスタイルを意識したマーケティング戦略を

これからHOKKAIDO SHOWCASEをやっていく上で大切なのは、シンガポールの人々の“ライフスタイル”を意識したマーケティングだと思います。たとえば子供はポップコーンが欲しいのでなく、それに付いてくるおまけのシールが欲しいのです。マクドナルドでも、ハンバーガーが食べたいのでなく、それに付いてくるおもちゃを子どもたちは求めています。つまり、商品にプラスオンのアイテムを付けることが何より大切であり、それは日本が韓国製品に勝てる部分でしょう。OL向けのアイテムなら、おまけにマニキュアを付けるなど、何か工夫をするべきです。

そしてやはり、“価格”は大切です。近年、シンガポールでは外食文化が根付き、家で料理を作るということが極端に少なくなっています。フードコートでの安価な食事が特に人気で、もしフードコートで食事する人たちをターゲットにしていく場合、値付けは非常に大切になってくるでしょう。

また、サプリメントなどの健康食品を販売する場合、シンガポール人は必ずしもその商品を信頼するとは限りません。サプリメントなどは、一般的に長く使うほど効果を実感できるものです。そのため、サンプリングを配って試してもらうことはとても重要ですし、長く愛用してもらうためにも値付けは低くし、手に取りやすくすべきです。

シンガポール人は、良いと思ったものは長く使うし、周りの家族や友人に勧めるという口コミ力もあります。そのためにも、まず入り口として価格を下げ、手に取りやすい価格設定をすることが大切でしょう。

janis2

弊社代表・加藤と

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