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INTERVIEW

アーティストからネット事業に転身、体を張って海外で奮闘。


“Hokkaido Showcase” インタビュー

ベンラックスインターナショナル
マネージングディレクター 村上 繁生さん

1968年6月 福岡県福岡市生まれ

日本大学国際関係学部卒業後、ミュージシャンを志し東京で5年間音楽活動をするが断念、1996年に心機一転シンガポールに渡り、その一年後にブランド化粧品等を取り扱う専門商社のベンラックスインターナショナルPTE.LTD.を創業。

2007年に美容健康に特化した商品を扱うECサイトのベストバイワールドをスタートさせ、現在4カ国(シンガポール、マレーシア、インドネシア、香港)に14万人以上の会員を持つ。

最近では、ECサイト運営で培った東南アジアの消費者の購買に関する様々なデータを基に、東南アジアへの進出を計画する日系企業に対して、的確なアドバイスとプランを提供する進出支援事業を手掛ける。

夢を諦めてシンガポールに渡り、新しい道を開拓

私はシンガポールで「ベストバイワールド」というイーコマースサイトを運営しています。基礎化粧品を中心に扱っており、おかげ様で売り上げは順調に伸びています。現在、いまHOKKAIDO SHOWCASEが扱う商材にとても興味があり、販売の準備を着々と進めているところです。

私は20代の頃、バンドマンとしてプロのアーティストを志していました。あの頃はイカ天ブームもあって、バンドを目指す人間がけっこう多かったんですよね。ところが、ふと将来が心配になり、「もしかしたら別の道もあるのでは?」と考え始めたのです。ところが当時バブルは崩壊し、就職先もままならない状態。普通に就職するのは、とても困難でした。そんな中で、取りあえず語学を身に着けながら、「世界の人たちとコミュニケーションを取るような仕事をしたい」と考えていました。

英語だけではなく、中国語もできるようになれば就職できるだろうと考え、一念発起してシンガポールに渡航しました。ところが、そこでの生活はかなり苦しいものでした。学生VISAビザではちゃんとしたアルバイトもできず、インド人街で時給280円ほどで働いたこともあります。午前中は学校、午後はバイトという生活でした。日本で働きたくても働けない外国人たちからは、「なんでこんなところで働いているのか?」と、変人扱いされました。

働いても働いても、貯金を切り崩していくばかり。就職したくても、社会人経験がないのでできません。そして1997年に仕方なく、たった15ドルで起業をしたのです。「生きるためには何でもする」そんな、せっぱ詰まった思いを抱きながらのスタートでした。そして、自分で自分のビザVISAを発行したのです。何も知らなかったからこそ、何でもできたのかも知れません。

背水の陣で請け負った仕事が、今のビジネスのきっかけに

起業をしてまず始めたのは、FAXを買うことでした。今までお世話になった人に向けてFAXを流し、「何でもします」と売り込みをしました。すると、昔お世話になったバイト先の社長から連絡があったのです。当時、日本ではカルバンクラインの「CK-one」という香水が大ブームでした。その社長の依頼は、「シンガポールで香水を安く仕入れたいから、安く販売している業者を探してくれ」というものでした。

私はシンガポール中を交渉して歩き、そこでインド人の卸売業者と出会いました。交渉は成立し、そこから仕入れたものを検品・パッキングして送るというのが、最初の仕事になりました。背水の陣のように追い込まれた時に、お金を使わないビジネスを請け負ったことが、偶然にも今のビジネスにつながったのです。人間、何がきっかけで成功するかというのは、本当にわからないものですね。やがて香水の専門商社としてマーケットに知られる存在となり、東南アジアのマーケット向けにネット販売を始めたのが、「ベストバイワールド」です。

当時、「シンガポールでECは絶対に成功しない」と言われていました。とにかく“ネットは不便”というイメージがあったからです。小さなシンガポール国内では、近場のお店で買い物を済ませられる上に、当時は日本の宅配便のようなきめ細やかなサービスがありませんでした。そこで、“自社配送”というシステムをとったのです。単に配送するのではなく、オフィスに届けるという仕組みです。SMSで「あと5分で着きます」とメールを入れると、お客様はトイレに行くふりをして荷物を受け取るといった感じです(笑)。また、ベストバイワールドの商品は、その安さゆえに「イミテーションなのでは?」と疑われることもあります。そのため、商品を受け取ってから支払うという仕組みを作りました。“安くて速い”、しかも“オフィス配送”ということが口コミで広がり、3か月後には損益分岐点を超え、それからはずっと上り調子です。

現在、香水は1割ほどで、メインに扱っている商材は基礎化粧品です。ブランド物の基礎化粧品は、世界統一規格なので売りやすいのです。選んだものがキラーコンテンツというのも、成功の要因かも知れません。シンガポールではすっかり浸透し、現在はマレーシア・インドネシア・香港を含め、4か国で展開しています。

海外で成功するためには、いかに貪欲に現地に浸透させるかに尽きます。昔の日本人は、当たり前のようにそれをやっていました。それをもう一度やるべきではないでしょうか?街中でビラ配りをするなど、できることは何でもやるべきです。弊社でも年末に催事を行いましたが、Face to Faceの大切さを強く感じました。ネット広告を打つより、直接、安心・安全な商品をPRする方がずっと効果的であり、消費者のリターン率も良かったです。ネット社会であるがゆえに、そこに走り過ぎてきたのですが、本来のFace to Faceを忘れていたんですね。直接会うことで、ネットでは売れない商品も売ることができ、ネットを使わない年配の方へもアプローチできました。

今年は原点回帰の年として、毎月催事を行う計画をしていますが、その中でHOKKAIDO SHOWCASEのレイシ酵母のファンを増やしていくことも検討しています。また、販売員も重要です。よい販売スタッフを雇っても、コンスタントに催事を続けないと離れて行ってしまうので、そういったスタッフが続けられるような催事を行っていくことも大切です。

HOKKAIDO SHOWCASEの今後の課題は、データベース化

HOKKAIDO SHOWCASEが今後やるべきことは、何よりもデータベース化することでしょう。どんなに宣伝をしても、消費者にリマインドをしないと意味がありません。そこをデータベース化してリマインドし、新しい商品や関連商品の紹介をし、リピーターになってもらうことが成功への近道です。弊社では、そのデータベース化のお手伝いができればと考えています。やはり誰でも「良いものはまた欲しい」のです。そのファンになった消費者を逃さないことが重要です。

シンガポールでは、「いいものは始めよう」という意識が高く、いいものにはお金を使います。ここ最近シンガポールでは、食料品が極端に売れなくなってきました。というのも、シンガポールはほとんどの家庭が共働きであり、料理は作らず三食とも外食という家庭が多いためです。その一方で、栄養が偏るという問題点も指摘されています。

いわゆる屋台であるホーカーフードは使用する油の質が悪く、男女を問わず抜け毛が深刻な問題となっています。食生活が乱れると、肌荒れや抜け毛にもつながります。そこで、その不足した栄養素をサプリメントで補えるように、と啓蒙していきたいのです。ネット上で健康にまつわる情報発信を行いながら、サプリメントの販売につなげていければと考えています。

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村上 繁生さん